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トイレのらくがき

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〜ダーリン ラムネを買ってきて 二人で飲みましょ散歩道 月がのぼるまで〜

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そこはくねくねの山道。
くねくねくね

そのくねくねをずっと見てたら気分が悪くなった。
寒気がする。
ぶるぶるぶる

ママが心配そうに僕を見つめる。
「だいじょうぶ?」

僕はもうすぐ小学生。
こんなことでママに迷惑をかけちゃいけない。
もう甘えんぼうは卒業するんだ。

ぶるぶる震える体を静かにさせる。
ぎうって抱きしめてやるといいんだよ。

「だいじょうぶ」

「だいじょうぶって言う人ほどホントは大丈夫じゃないの」

ママはキキと車のブレーキをかけた。

くねくねの山道の脇に車を停める。
ママは後部座席のドアを開け、僕の手を引っ張った。

外へ出たら空気がキレイだった。
澄んだ空気は僕をもっと最悪な状況へと導いた。

「気持ち悪い」 ・・・もう限界だった。


 

ママはしゃがみこんだ僕の背中を優しく撫でてこう言った。

「悪いモノ全部、出しちゃいなさい」

そうして僕に手渡したものはなぁに?

「これはね、魔法のお水なのよ」

見ると、魔法のお水が歌いだした。 
ぷちぷちぷち。

「さ あ 、 早 く お 飲 み な さ い 」

いつからだろう・・・
僕の中のモンスターが暴れだす。

どす黒い感情 濁った音 叫び声 激しい痛み

これらは日に日に大きくなり、僕を苦しめた。

僕は魔法のお水を一気に飲み干した。
プチプチがはじけ、僕を包む。
途端、悪いモノすべてなんやかんやが一斉に飛び出した。

僕の鼓動はどくんどくんとメロディを奏で始める。
とても気分が楽になった。
 

気がつくと、魔法のお水のビンを強くにぎりしめていた。
僕の涙が水色になって溢れ出した。 

「どう?楽になったでしょう?」

ママはいたずらっぽく笑って僕にウインクした。

魔法のお水ってほんとうにあるんだなあ。

ママは魔法使いだった。

そして、ママは僕が大人になると魔法の国へ帰って行った。

この「魔法のお水」がラムネだと気付いたのは、僕がもう少し大人になってからのお話。

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