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トイレのらくがき

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〜ヒーローを探してた・・・ ステージの上から〜

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ここは真っ暗な闇のようなところで 、私はずっとそこを浮遊していた。
最初はこの闇からどうにかして抜け出たいと思っていたが
だんだんと苦痛はなくなり 、いつしか私はここの住人になった。

何も考えず暗闇を漂うだけの日々。
お腹が空いたら少し固くなったパンをかじり、 冷めたミルクを飲んだ。
眠りたくはなかったけど、無理やり目を閉じたりした。
悪夢を見ると決まって大汗をかき飛び起きたが、 ここは悪い夢の中とさして違わぬ世界だった。

しばらくいると闇の中でも目が慣れてくる。
何もないと思ってたものが薄ぼんやりと形を帯び、視界に入るようになった。

目に映るものは汚いモノばかり。
ガラクタばかりだ。
ガラクタしか愛せない。
そんな私もまた、ガラクタだった。

「このままじゃいけない」 ふと、そう思った。

出口の見えないトンネルからようやく出る決心がついたのだ。
恐る恐るその一歩を踏み出した。

手を差し伸べてくれた人は ヒーロー。

ヒーロー見参! ヒーロー見参!!

闇に慣れ、闇そのものと化した私には、輝きに満ちたヒーローは眩しくてしょうがなかった。
ヒーローが纏っている空気に触れ、やっと呼吸が楽になった気がした。
私はその空気感に酔いしれた。

ヒーローが放つエネルギーみたいなものが、私を徐々に浄化しているのがわかった。

地獄絵図のような毎日。
クソみたいなこの私。
いいえ、クソにも値しないであろうこの私。

救ってくれたのはヒーローだった。

やがてヒーローは立ち上がる。
また闇の中で迷子になっている人達を救いに行くのだろう。

私はその瞬間を見逃さぬように必死に目を凝らした。
汚らしいものがそこらへんじゅうに犇めき合う中で、ヒーローだけをじっと見つめていた。

私の心のシャッターを切る。
目はファインダーとなり、瞬きのシャッターを切り続けた。
目に焼き付けるのだ。
心の目に。

永遠に刻まれる記憶。

ヒーローの背中には羽が生えていた。
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